和食は世界遺産に登録されていて、その理由のひとつがバラエティがとんだ醗酵食品の数、ぬか漬けは世界を漬物大国日本で代表的な醗酵食品です。
時間をかけてぬか床を育てていくことでおいしさが生まれます。
ぬか漬けできれいになる理由
ぬか漬けに含まれる多くの乳酸菌は植物性乳酸菌で、過酷な環境下でも生き抜く力があるとされ、生きたまま腸に届きやすいといわれています。
乳酸菌を毎日とることで、腸内細菌は活性化、善玉菌が増えて腸内のバランスが整いやすくなります。同時にとれる野菜の食物繊維が便通をよくし、腸内細菌のエサとなることで腸内環境を改善してくれるので、一石二鳥の効果が期待できます。
人の腸管には7割以上の免疫細胞が集中していて、風邪の予防、花粉症などのアレルギー予防など、免疫力を強くするためには腸内環境を整えることが近道とされています。
ぬかには、ビタミンB群が含まれていてタンパク質の代謝を促してくれるので、美肌作用にもなります。
作るのに適した時期
一年中いつ始めてもかまいませんが、ぬか床は20~25℃くらいの温度のところに置くのが管理しやすいので、はじめての方は、春や秋から始めるのがよいかもしれません。
保存方法・消費目安
ぬか床は常温で保存し、毎日一回はかき混ぜます。ただし、夏場の気温は30℃を超える時期は醗酵が進みすぎるので、冷蔵庫に入れても大丈夫です。
ぬか床は手入れがよければ、0親から子へと受け継がれるあるくらい半永久的に使えます。
漬けた野菜は冷蔵庫で保存し2日ほどで食べきりましょう。
色々なものが漬けられます
ほとんどの野菜が漬けられます。
ごぼうなどのかたい野菜は一度ゆでてから漬けてください。
野菜以外でもゆで卵、チーズ、ウインナーソーセージなども漬けられます。
ぬか床の作り方
・ 米ぬか 1kg
・ 塩 120g
・ 水 5カップ
■ ぬかに入れる物
赤唐辛子 2~3本
だし昆布 2~3cm
煮干し 10本
にんにく 3かけ
しょうが 1かけ
卵の殻 2個分
①
塩と水を鍋に入れて火にかけ、軽く煮立てて塩を溶かして火を止める。そのまま冷めるまで置く。
②
米ぬかをボウルに入れ、①を2~3回に分けて加え手で混ぜる。
③
手でムラがないように、くまなく混ぜて合わせる。
④
ぬかに入れる物を入れて混ぜる。
にんにく、しょうがは丸ごと。卵の殻も砕かずに加えてざっと混ぜ合わせる。
⑤
保存容器に移して、ぬか床の完成。
⑥
捨て漬けをするために、大根やにんじんの切れ端、キャベツの外葉や大根の葉などに塩をまぶして、ぬか床に漬け込む。
野菜くずをつけることで乳酸菌や酵母などを増やして醗酵を促す。
⑦
野菜くずをぬか床の中に入れたら、表面を平らにならしておく。
⑧
⑦で入れた野菜くずを、翌日に取り出し食べずに、また別の野菜くずを漬け込む。
この野菜くずの捨て漬けを一週間繰り返す。
野菜くずについたぬかは、手で落としてぬか床へ返す。
⑨
約一週間の捨て漬け期間が過ぎたら、本漬けをする。
好みの野菜に塩をまぶし、ぬか床に漬け込む。
⑩
季節や温度、好みの漬かり具合あるとは思うけど、
夏場なら2~3時間、それ以外の季節なら一晩くらいで漬かる。
早く漬けたい場合は、切り込みを入れたり、小さく切る。
ぬか漬けをするにあたって
漬けていくうちに野菜から水分が出てぬか床がゆるくなった場合
新しいぬかと塩を足して、かき混ぜてください。また、にんにく、しょうが、赤唐辛子、煮干、昆布などが余っていたら、ぬか床を入れて、ぬか床を育てましょう。
赤唐辛子などの薬味には、風味をつけるほか、防腐剤としての役割もあります。
ぬか漬けがすっぱい、味が変わってきた場合
ぬか床を一回、ぬか床の上下を入れ替えるイメージで、しっかりかき混ぜなおしましょう。
かきまぜ方が足りないと、空気を嫌う乳酸菌がどんどん増えて酸味成分を多く作ります。
気温が高くなる夏場は酸っぱくなりがちんなので、涼しい場所に移動させ、1日2回ほどかき混ぜましょう。
それができない場合は冷蔵庫に保存をしてください。
または、乳酸菌の働きを抑えてくれる塩を多めに入れてもいいです。
旅行などで家をあける場合
野菜をすべて取り出して、ぬか床の表面を覆うように塩をふり、冷蔵庫に入れましょう。帰ってきたら、そのままかき混ぜれば大丈夫です。
1ヶ月以上家をあけるなどの場合は、ぬか床を冷凍保存をしてください。解凍すればそのまま使えます。
ぬか床の表面にカビが生えた場合
カビが生えていたらカビの部分とその周り含めてそぎとって捨ててください。そうしたら、新しいぬかと塩を足してよくかき混ぜてください。